■試算表を見てもわからない
社長
「試算表は毎月税理士に作ってもらっています」
私
「なるほど。内容の確認もされているのですね」
社長
「いやぁ…損益のところはみてるよ…」
私
「損益のところ、ってどこですか?」
相談に来られる社長でも
キチンと試算表を持参される方はおられます
しかし、内容をヒアリングし始めると
「資金繰りが大変だ!」
という話に終始してしまうことが多いです
もちろん資金繰りの相談に
来られているので当然なんですが…
建設業でお金が足りない状況として
・キチンと入金出金予定が把握できていない
・キチンと損益が把握できていない
・キチンと貸借が把握できていない
ことが考えられます
■小売業や製造業と少し違う
建設業は建設業会計が存在するように
少し他の業種より試算表だけでは
会社の内情を把握するのがややこしいです
入金に関しても…
他の業種では「売掛金」を使うので
簿記を知らなくても理解できます
しかし
建設業では
「完成工事未収入金」や「未成工事受入金」
という名前の科目で入金があります
これは
完成してからもらうのか?
まだ完成してないけど着手金や中間金でもらうのか?
で分けられています
工事が完成すれば
損益計算書もキチンと儲けがわかるようになるのですが
工事期間中は
お金が出て行くけれど原価には反映されていなかったり
入金があったとしても売上に反映されていなかったり
していて
「社長の頭の中の資金繰り」と
「税理士の作る試算表」
との間に大きなズレができています
■ズレを補完する資料たち
上記会話の社長も
試算表は見ているようです
当月までの経常利益も把握していました
しかし
毎月出来高で入金してもらっている工事の売上が
試算表に反映されていない
と不思議に感じています
実は
税理士の作る試算表は工事完成基準で計上されているので
このようなことが起こっていました
(これは会計基準の話で試算表自体は間違っていません)
社長の頭の中では
お金が残っているハズなのに
通帳残高はあとわずか…
この状況が続けば資金ショートしてしまいます
そこで
試算表を補完する資料が必要になるのです
資金繰り表だけでも
・計画資金繰り表(日繰り表、月次資金繰り表)
・実績資金繰り表( 〃 )
・差異資金繰り表( 〃 )
損益貸借管理表も同じように
・計画・実績・差異表が必要です
他にも
・受注一覧
・入金予定一覧
・業者支払予定一覧
・工事台帳
などなどを必要に応じて作成し
試算表と資金繰りのズレを埋めなくてはならないのです
しかも
「資料を経理部に作らせたら終わり」
ではなく
毎月経営幹部が数字の把握をし
計画との差を分析し改善点を見つけていく努力が必要です
■気がつけば負債ばっかり増えている
多くの中小企業ではここまで管理していないのが現実です
多くの社長が創業からしばらくは
「儲けが出て資金繰りが回ればええわ」
という感じでいます
しかし
業績が上がってくるにつれて
資金繰りがしんどくなってくることを経験します
工事案件が並行して数件入ってくると
現場担当者に入出金を確認することもおろそかになり
大きな赤字を垂れ流すことにつながっていくのです
初めのうちは銀行借入で何とかなっていたとしても
借入残高が増えすぎると融資を止められてしまうので
たちまち資金ショートに陥ります
ここで初めて
「ああこのままの管理体制ではダメだな。
お金を借りても全部垂れ流しになって
負債ばっかり増えてるな…」
と気づくのです
気づくのは早いに越したことはありません
試算表をベースに色々な資料を駆使して
資金繰りに困らない利益の残る会社を作ってください
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