■リースバックの利用が増加
住宅ローンの返済があと少しで終わる社長との相談
社長
「お金を借りる方法としてリースバックというのを見つけた!
これで当面の資金が確保できるし、2年で買い戻せるらしい」
私
「確かに事業資金の確保には良いですね。でも買い戻せなかったら家を出て行かなくてはならないですよ」
社長
「2年あればなんとかなるやろ。大丈夫。目の前のお金が必要やねん」
私
「ああぁ、危険です。その考え方だから今も資金繰りが厳しいんですよ」
最近、金融機関や不動産コンサルティング会社が共同で
リースバックを活用している事例が増えています
先日の新聞でも
『大手銀行や地銀は「リースバック」を活用し事業再生資金融資を行い顧客の拡大をしている。
リースバックによる純資産増加や自己資本比率改善により新規融資につながっている。』
とあります
10年くらい前にもリースバックという言葉をよく聞きました
うまく使えば資金繰りにもいい仕組みですし
貸借対照表の見直しとしても使えるいい方法です
■リースバックとは
デジタル大辞泉から引用すると…
「事業用資産を売却し、それをそのまま使用しながら買い主に使用料を支払う方式」
解説では事業用資産とありますが
社長の住んでいる自宅をリースバックして
資金調達をするパターンもあります
どのような資金調達方法か?
例えば…
①住宅ローンが500万円のこっている自宅を
投資家(不動産コンサル会社など)に1200万円(時価より安いことが多い)で売却。
※所有権は投資家へ。差額の700万円が社長の手元資金となる(手数料など考慮していない)
②自宅には住み続けるのでリース料を支払う
家賃みたいなものだが近隣相場には関係なく
年間で売却代金1200万円の10%程度を支払う=120万円(@10万円/月)
※近隣相場と関係ないのは投資家が利回り10%を確定させているから
ちなみに住宅ローンの支払ではないので単なる費用・コスト
③700万円の手元資金で事業を拡大させ2年後に時価で買い戻す
2年後の時価によるが、投資家が損をしない程度に落ち着くハズ。例えば1400万円で買い戻し
②で毎年120万円支払っているが、単なる費用・コストなので買い戻し価格に充当されることはない
こういう流れでいければ良い仕組みです
■計画通りにいかなかったら…
上記はあくまで「こうできたらいいな」という例です
ここで一番問題になるのが、③の買い戻しです
2年間で事業の立て直しができずに
買い戻し資金が用意できないことがあります
そうなると
投資家が不動産賃貸経営を主軸にしている会社ならいいのですが
不動産コンサル会社などは
・賃貸経営を主として行っているわけではない
なので
2年経過後買い戻しができなければ第三者に売却して資金を回収します
要は社長は自宅を追い出されます
2年もたてば子供の成長や生活スタイルも変わるので
他の賃貸で構わないというなら話は別ですが…
まあそれであれば
初めから自宅を時価で第三者に売却して
少しでも多く手元資金を手に入れればよかったですし
2年間の家賃も近隣相場のところに引っ越せばよかった
ということになります
近年「リースバック」という言葉を聞かなかったのは
リーマンショックがあった10年前に取り組んだ人が
買戻しをできずに家や工場(事業用資産のリースバック)を
追い出されたことも要因にあります
※上記会話に出てきた社長など
典型的な③買戻しできない社長になりそうです
その場しのぎでメリットだけ享受することはできません
デメリットもしっかり把握したうえで活用すべき仕組みです
他にもいくつか計画通りにいかなかった場合のデメリットもありますが
専門の不動産コンサル会社か金融機関に確認してください
■うまく使えばいい仕組み
しかし最近は
企業の業績も上向いておりうまく利用すれば
資産の有効活用になるのも間違いありません
資金調達の手段は多様化しています
会社を拡大させるため
いろいろ利用しましょう
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