■その支払い順序では、商売ができなくなります
ある日、運送会社の社長との電話相談にて…
私
「なるほど、リース会社が車両を持って帰ると言っているんですね」
社長
「はい、延滞額が大きくなりすぎて払えないなら乗って帰ると…」
私
「銀行の支払いは毎月送れずに払っているんですか?」
社長
「そうです、銀行を怒らすと借りれなくなるので延滞はしていません」
私
「リース車両を持っていかれると商売ができなくなります。
どのみち融資を受けることができないなら、銀行支払いを待ってもらいましょう」
詳しく聞くと
既にリスケジュールをしているようで
追加で借りれる状態ではないのですが…
リスケジュールをしてからも
一度も資金繰りの悩みから解放されたことはなく
頭を抱えておられました
というのも
会社が払える毎月支払える返済金額を
細かい再生計画に基づいて算定したわけではなく
前年の決算書をもとに
銀行側が「だいたいこれくらいは返せますね」
という金額を毎月返済していたからです
■資金繰りの状況は日々変わる
銀行に対して
リスケジュールに応じてもらった恩義はある
なので
今後のことを考えて銀行には優先的に返済しているのです
しかし
キチンとした計画を作って返済金額を
決めたわけではないことが
資金繰り破たんを引き起こしていました
①銀行の返済を優先することで
↓
②リース会社への支払いを滞らせ
↓
③車両が取り上げられてしまいます
↓
④そして本業を行うことができず…
「銀行返済を優先して倒産」
これでは本末転倒です
※銀行も貸したお金を回収できなくなります
■全体を見て支払い優先順位を考える
だから銀行へ返済しなくていいというわけではありません
キチンと経営再生計画をたてて
今後どうやっていくら返済していくのかを
明確にして承認をもらわなくてはなりません
その計画書は
保証協会にも、リース会社にも
遅れているなら税務署、年金事務所にも説明して
「こうやって再生していくから協力してほしい」
という想いを伝えなくてはなりません
その計画書の中で
未払金の解消方法、支払金額、支払いの順番
を明確にし
優先順位が低い債権者には
頭を下げに行かなくてはなりません
「声が大きい債権者から支払う」
ことをしてしまうと
みんな声を大きくして請求してきます
絶対に計画にそって行動することを
債権者の前で宣誓し、承認をもらうのは
社長がイレギュラーな行動をとらない為でもあります
■承認されたらやることは一つ
債権者から承認をされたら
迷わず計画に沿って実行です
計画通りにいかないこともあるでしょう
「あ~計画通りにいかなかった。残念」
で終わってはいけません
なぜ計画通りにいかなかったのか?
原因を徹底追及して
明日からの行動を変えるのです
毎月毎月良くても悪くても
承認してくれた債権者に報告です
こうすることで社長が「経営」から
逃げることができなくなり
実際に「改善して行動」を繰り返すしかなくなります
■本当にこのまま会社を続けていっていいのか?という疑問
再生計画を作る段階で
将来のことを考えると思います
・このまま続けて意味があるのか?
・息子にこの状態で会社を引き継いでいいのか?
今は資金繰りのことばかりで
5年後、10年後まで意識が及んでいない社長が多いです
この経営危機に陥った時が
自身の「経営」を振返る大きなチャンスです
振返りの中に「疑問」の答えはあります
とはいっても
将来のことは今すぐ決められるものではありません
将来のことを考える時間が必要です
それを財務面で支えることは可能です
倒産しないように時間を稼ぐことが必要です
上の話で言えば
「銀行に返済するのではなく、リース会社に支払って本業を続けれる状態を作る」
ことが時間を稼ぐということです
迷っていても時間は止まってくれません
前進しながら最善策を考え行動していきましょう
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